???ある日出会った、捨てられたらしい1匹の野良猫。人なつこく、足にしっぽをからませてきたその猫に「おおねこさん」と名前をつけ、エサを与え、世話をすること1年半。しだいに離れがたくなるが、マンションでは動物が飼えず、ついには一緒に住む家を建ててしまった。念願がかなって共に暮らす、現在までの2年間を、コミカルに、ときに真剣に描いた、実体験による猫の観察日記。著者は、緻密な可愛らしさが好評な『ハムスター・まも日誌』のおまたたかこ。 ???細部まで描き込まれた腹部や首周囲の柔らかく白い毛、かわいらしいたくさんのポーズ。猫好きならつい立ち止まって手に取りたくなるような、ふわりとやわらかいタッチのイラスト。しかし、かわいいだけでなく、リアルに、猫と人間の生活が描かれているところがこの本の最大の特徴である。野良猫時代、ご飯をもらうためにお腹を見せてかわいらしさをアピールする、世渡り上手なおおねこさんの様子や、ちょっと不安な初めての入院体験、新居に連れてくるための引っ越し大作戦など、実際に体験したからならではの、微笑ましいエピソードが盛りだくさんだ。また、イラストに手書きで添えられた、おおねこさんに対する作者の心の中の小さな言葉たちが、この本から感じられる温かさを倍増させている。 ???溺愛する猫の、表情、しぐさの一瞬たりとも見逃すまいとするような、愛情にあふれた絵本である。(田村恵美)
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